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国内家庭用冷蔵庫の中で第1位の省エネ性能達成!

経済産業省資源エネルギー庁は2008年1月に平成19年度(第18回)省エネ大賞を発表したが、ここで日立アプライアンス株式会社は家庭用冷凍冷蔵庫「栄養いきいき真空チルド」と「まんなか冷凍」シリーズ(R-X6000他全8機種)、およびルームエアコン「ミストで清潔ステンレス・クリーン白くまくん」 (RAS-S40X2他全機種)で「省エネ大賞 省エネルギーセンター 会長賞」をダブル受賞した。
このうち冷蔵庫は2年連続の受賞。「まんなか冷凍」構造、 そして業界初の「フレックス真空断熱材」などを採用したことで、国内家庭用冷凍冷蔵庫の中で第1位の省エネ性能を達成したことが評価されたもの。
また、これによって前年の冷蔵庫に比べて約20%の省エネ、CO2削減量も約49kgという、ずば抜けた改善ができたという。

掲載時期:2008年9月
取材協力:日立アプライアンス株式会社

ギネスにも掲載された世界最高の真空技術

日立アプライアンス株式会社(取締役社長・石津尚澄氏)は、昨年 9 月、2007年度の日立新型冷蔵庫の新製品発表に際して、 家電事業部長の石井吉太郎常務が、日立の冷蔵庫は“こだわり消費に応えるプレミアム商品である”と位置づけ、健康へのこだわりから真空の力で酸化を防ぎ、栄養素をしっかりキープする、「世界初の真空チルド」を日立冷蔵庫に組み込むことに成功したことを強調した。

これは、日立グループの真空技術を結集することによって実現したもので、ギネスブックにも掲載された1/1016 気圧の世界最高の真空技術がグループ会社内にあったこともあり、世界初の「真空チルドルーム」技術を開発されたのだとしている。

その成果が、健康と基本性能にこだわった新提案商品日立まんなか冷凍冷蔵庫“栄養いきいき真空チル”――だどという。そして、新真空断熱材の採用で、業界 No .1 大容量の601L(リットル)と省エネの両立が可能になったとしている(R-X6000 で)。

食品保存技術搭載、大容量冷蔵庫

日立アプライアンス株式会社(取締役社長・石津尚澄氏)は、昨年 9 月、2007年度の日立新型冷蔵庫の新製品発表に際して、 家電事業部長の石井吉太郎常務が、日立の冷蔵庫は“こだわり消費に応えるプレミアム商品である”と位置づけ、健康へのこだわりから真空の力で酸化を防ぎ、栄養素をしっかりキープする、「世界初の真空チルド」を日立冷蔵庫に組み込むことに成功したことを強調した。

日立の調査によると、2007 年度の家庭用冷蔵庫の市場は、 約428 万台で、 2008年度は約432 万台と見込まれている。 このうち、500 リットルクラスの需要構成比は、2006年実績で6% であったものが、2007 年度以降は 10% 以上に達すると予測されている。これは大容量冷蔵庫の設置性の向上と、住宅の高密度化によるキッチンの室温上昇など、冷凍・冷蔵保存が必要な食品の増加から、400 リットルクラスからの買い替え需要がワンクラス上の容量にシフトしていることが背景として考えられる。

一方、近年の健康志向の高まりから、食品保存時の栄養素などの維持が求められている。こうしたニーズに対応するため、日立の新製品では、酸化によって失われる栄養素をできるだけ維持するため、低酸素状態下での食品保存技術を搭載した大容量冷蔵庫を開発したのだという。

食品保存技術搭載、大容量冷蔵庫

図1 真空チルドルームの構造と開閉構造

601L 「R-X6000」の特徴
以下に、601L の「R- X6000」を例にとって、新製品の主な特長を紹介する。 (1)世界初の「真空チルドルーム」(図 1)で、食品の栄養素をしっかり維持。 この製品では、世界で初めて、耐圧密閉構造、高性能小型真空ポンプ、ロックハンドルなどを備えた「真空チルド ルーム」を冷蔵室下部に搭載した。

自社開発した高性能小型ポンプ
(排気量:2.4L/min、回転数:2,100r/min、消費電力:8W)

ロックハンドルで、ルーム内を密閉し、高性能小型真空ぽンプによって、チルドルーム内の空気を吸引することで、 気圧を下げ、低酸素状態で食品の保存を可能にした。 気圧を下げれば、酸化防止効果は高くなるが、一方で低酸素化による変色が生ずる。 そこで、酸化防止と変色抑制を両立するため、多くのテストの結果、チルドルーム内の 最適な圧力(真空)として約 0.7 気圧と決めた。

これによって、DHA、EPA(共に食物から摂取する必要がある必須脂肪酸の一種。 魚に多く含まれる)、ビタミン C(多くの野菜や果物に含まれる水溶性のビタミン)、 コエンザイム Q10(青魚や肉類に含まれる補酵素)、アミノ酸(メチオミン)、ビタミンA (レバー、緑黄色野菜に含まれる脂溶性のビタミン)、ビタミン E(葉モノ野菜に多く含まれる脂溶性のビタミン)など、いろいろな食品に含まれる酸化に弱い栄養素を守ることができる。(図 2)

(2)業界最大の内容積(601L)を実現するため、門形構造の筐体のほか、業界初の 「フレックス真空断熱材」を導入した。 (図 3、4)

図2:変色防止効果/図3:進行増解体

図2 変色防止効果                   図3 審構造解体

まず、冷蔵庫側面と天面の外板を一体にした門形構造を採用した。 これによって、筐体全体の強度を従来型に比べ、約15%向上することで強度を保つ ために厚くしていた部分は減らし、冷蔵庫全体の薄壁化を実現している。

また、従来に比べ、断熱性能を約25%向上させ、さらに筺体内部の凹凸形状に合わせて成形した新開発の「フレックス真空断熱材」(図4)を業界で初めて採用した。 これによって、制御基板による段差のため真空断熱材を入れられなかった天井部での 採用が可能になり、真空断熱材の使用面積を増やすことで薄壁化しただけでなく、省エネ化が実現したという。

(3)その他の特長 コンパクトで高性能な新型コンプレッサーの採用なども あげられている。 日立アプライアンスでは、2008年度中に大型冷蔵庫の生産能力を増強し、今年度内に生産能力を前年に比べ20%引き上げるとのこと。 これに伴い、09年度末までに総額で約10億円の設備投資を行い、さらなる増産に対応していくこととしている。

図4:日立独自の真空断熱技術

図4 日立独自の真空断熱技術




 
日立アプライアンス株式会社
家電事業部 家電事業企画本部
事業企画部
商品企画グループ部長代理
石田 和浩氏談
70年にも及ぶ日立の温度制御技術も活用!

1984年春に大学の機械工学科を卒業して、日立製作所に入社して約7年間冷蔵庫の設計に 従事。その後、商品企画を担当するようになりました。 この数年の間、真空での保存技術に関心を持ち、研究を本格化したのは2年前からで、冷蔵庫に組み込むことに専念してきました。日立アプライアンスが誕生した頃からのことです。

ところで、日立で冷蔵庫を製造しているのは栃木 事業所で、400L以上の大型機種に特化して生産し ています。 一方、真空チルドの実現に貢献したのは、 多賀工場(茨城県)で、ここでは、洗濯機や掃除機、 電気炊飯器などを生産している関係でモーターやポ ンプなど多くの技術的ノウハウを持っていたことか ら、比較的スムーズに今回のチルド専用の小型真空 ポンプを開発することができました。 とは言っても 真空チルド室の実現までには、いろいろと苦労があ りました。

第一に真空度をどの程度に保てば良いのか――ということですが、0.7気圧という答えを出すまでには、かなりの実験が必要でした。その結果、生まれたのが約300kgの重さに耐えられる耐圧構造を採用した真空保存システム(真空チルドルーム)。最大容量の 601Lでもチルド室が14Lですが、300kgもの圧力がかかることから耐圧強化構造上、冷蔵室全体を真空チルドにするなど大きくはできないのです。 なお、チルドルームの扉の開閉時に使うロック構造にしても、簡単に操作できる工夫をしています。

第二に、チルドルーム内部の温度管理の問題でも常時約+1°Cを保持しなければならないことから、70数年にわたる日立の温度制御技術が活きました。 第三にあげたいことは、日立独自のアルミ箔をつかっていないフレックス真空断熱材の採用。これは、加工できる点(折り曲げ可能)が他社にない特長になっています。

掲載時期:2008年9月
取材協力:日立アプライアンス株式会社

かんたん技術解説
断熱

真空断熱は、熱を伝えるいう性質を持つ空気や物質に、熱を伝えにくくする方法です。

酸化防止

酸化を防ぐには、酸化させたくないものを酸素から遮断する必要があります。
密閉された空間を、真空ポンプで排気していくと、空間に存在した酸素が外に吐き出されて、酸素を取り除くことができます。
真空状態では、酸素量が減少するため、酸化による物質の変化を抑制することが可能となります。

もっと知りたい方は、真空の基礎知識へ