効果抜群、釣果が一挙に4倍にも!

数ある釣りの種類のうち、もっとも初心者が扱いやすいものがルアーフィッシング。

関連業界の調査によると国内のルアーフィッシング人口は約430万人、年間小売販売総額約380億円に達するという。

そうした状況のもとにあって、アルバックグループの真空成膜受託会社であるタイゴールド株式会社は蒸着重合法という成膜法を応用した釣具、スプーン型のルアー「STROM」を発売した。

これは、スプーン型の金属片の表面に、(株)アルバックの超材料研究所が開発した蒸着重合法によって、被膜を付けたもので、見る角度によって色合いが変化するホログラムカラーが”魚の気”を引き、釣りの成果が上がるようである(実験では4倍に)。

ルアーにはスプーン、スピナー、メタルジグ、プラグ、ワームなど魚に興味を持たせるための種類が豊富にある。
今回のタイゴールド製「STROM」は、スプーンに属し、その名の通り匙状の金属製のルアー。水中に沈む際にきらきらと輝き魚の好奇心を刺激する。 また、リトリーブ(ルアーを手元に引っ張ってくる事)すると、ひらひらと動き、あたかも小魚が泳いでいるように見える。

ルアーフィッシングの対象となる魚は、
1. 海の防波堤から狙うメバル、カサゴやアジ、スズキ、ヒラメ、青物はイナダ、サワラ
2. 渓流・湖水域のイワナ、ヤマメ、ニジマスやブラックバスなど

タイゴールドのルアー「STROM」商品化までのプロセス

ルアーに成膜する装着重合装置

ルアーに成膜する装着重合装置

従来のルアーでは、水の中での動きや色で魚の興味を誘っている。
ルアーの形は様々で表面を光らせるために、シールを付けたり塗装することによって、自然光(太陽光)を反射させ、魚の視覚に刺激を与えるものが販売されてきた。

しかし、このようなシールや塗装を施したものでは、入射した光は一方向にしか反射しないため、魚へのアピールに関しては、必ずしも満足できるものではなかった。

これに対し、タイゴールドが発売した「STROM」では、アルバック独自のナノテクノロジーである蒸着重合法を用いてルアー全面膜を形成。


光沢仕上げを施したルアー表面に、光透過率の高い薄膜を形成することで反射を利用し、いろいろな色を実現できるようになった。


ルアー商品写真

製品化にあたり、ルアーメーカーとして知られる株式会社フォレスト(本社群馬前橋市)に形状の設計協力を得た。

当面、高度な成膜技術によってカラーリングした虹色模様のルアー「STROM 2.4g」「STROM 3.7g」を販売している。

※値段はいずれも税込み3,000円
(今のところはインターネット販売のみ)
http://www.tigold.co.jp/STROM.htm

全国各地より注文を受け、好調な実績をあげている。

 
ルアー発明のヒントは、同僚の趣味
筑波超材料研究所 有機材料部応用研究室
高橋一寿 室長談

同僚のルアーフィッシング
趣味のひらめきから

5年ほど前から、タイゴールド(株)の石田公一課長と共に、蒸着重合ポリイミド膜の射出成形型用断熱金型への応用の仕事を進めてきましたが、その過程で目にしたポリイミド膜の色合いが石田さんの趣味であるルアーフィッシングに使えるのでは?と、ひらめいたことからきっかけとなって今回の商品化につながりました。
自然環境下でルアーの色が変幻自在に変わるとすれば、魚は見るたびに違う刺激を受けるに違いないと想像したわけです。テストでシルバー光沢色の従来品と試作品を比べたところ魚のアタックの仕方、回数が明らかに違うことが判りました。通常、魚はルアーを追いかけて、後から食いついてくるのですが、試作品では下側から突進してルアー本体に食らいついてきたのです。他の人にモニターを依頼した場合にも、同じような釣果が報告されてきています。
ルアー表面は湾曲しているため、膜厚が一定でも光路長が見る角度で異なるので色に変化が出ることが判ったのです。 商品化したルアーでは、単色系でなく、水の透明性に影響されない膜厚を傾斜させたグラデーション模様に、若干のホログラム効果を入れたカラーリングにしてあります。石田さんの経験では、「このルアーは丹沢渓谷などの渓流釣りに使って、ヤマメやニジマス、イワナを釣るのに最適ですね!!」とのこと。もちろん、海辺の岸壁釣りにも使えますが、現時点では、「STROM」ルアーのサイズが2.4gと3.7gと軽いので深い潮流のあるところでは扱いにくいといわれています。
もっと重量のある製品を開発、商品化を検討してます。

かんたん技術解説
蒸着

蒸着とは、個体である物質を減圧状態において熱を加え、蒸発させて、基板となる物質に個体の皮膜をつくる現象を利用した薄膜形成の方法の一つです。

もっと知りたい方は、真空の基礎知識へ
真空で特殊塗装